<RetailForceのプロトタイプでの実証実験>
今までのやり方ではいずれ限界が来る。売場の作成やトレーニングを効率化して効果を上げられないか、そういった思いから実証実験への参加を決めました。
すべては「お客様」のために。「治す」を基本コンセプトに、病気予防を含めた「初期治療」から調剤部門による「最終的治療」まで幅広い「治す」ニーズに対応するレデイ薬局様。地域の方々に寄り添えるかかりつけ薬局として、身近な健康相談センターとして、お客様と直接ふれあうことを大切にしています。
グループで総店舗数2,000店舗以上を誇るツルハホールディングスのグループ企業の一員であり、四国を中心に店舗展開するスーパーマーケットチェーン フジの関係会社でもあります。
レデイ薬局様には、販売促進に関わる業務の実施状況をモニタリングし、その効果測定を行うシステムの実証実験にご参加頂きました。その実証実験についてお話を伺いました。
※記載内容や、組織名、役職名は、インタビュー当時(2019年1月)のものです。
--実証実験に参加しようと思ったきっかけは何ですか?
売場の作成やトレーニングを効率化して効果をあげられないか、という思いがありました。
商品の陳列が正しくできているかのチェックは、各エリアのスーパーバイザーが原則、巡回して行っています。担当店舗を1つ1つ回って確認し、問題があれば店舗で指導します。店長が売場の写真を撮ってシステムに登録し、それをバイヤーがメーカー様と紙媒体で共有しています。システム上で完結しないため、結局は電話でのやり取りや、写真をプリントして共有するなど、指示や共有に相当な手間がかかっていました。
化粧品や高価格商品を販売するために必要な、店舗スタッフの商品知識や接客方法は、メーカー様主催の勉強会に参加し習得します。しかし、当社の店舗は7県の広範囲にまたがっており、全スタッフを参加させるのは距離的、時間的にかなり難しいのです。また、勉強会でちゃんと知識を身に着けたのか、得た知識を生かした接客ができているのかを測ることが、店舗まかせになっていました。今回の実験に入る前に、eラーニングシステムを含めていくつか導入検討したものはありますが、実効性の高そうなものはありませんでした。
このような中で、ウィルベースのシステムは、1つのシステムで売場作成とトレーニングがSNSのような形で簡単に実施徹底でき、その履歴や結果をリアルタイムに把握できるため、トレーニング受講者の知識の定着や売上に対するインパクト等の効果が測れると判断し、実証実験への参加を決めました。
--実際に、実証実験を行っていかがでしたか?
思った以上に手ごたえがありました。売場作成もトレーニングも短期間で、実験に参加したすべての店舗でアルバイトを含む全スタッフに実施徹底できました。以前から店舗にあった古いタブレットを使ったのですが、各自が使う時間をスケジューリングする等工夫し、やりきることができました。
--実証実験がうまくいったポイントは何でしょうか?
教育素材がコンパクトで、かつ売る側の視点で作成できたこと、また学習履歴や結果がリアルタイムで確認できることで、短期間で全員が学習をやりきったことですね。メーカーからの今までの教育素材ですと、視聴するために時間がかかり、加えて接客でのポイントなどの売る側の視点がなかったので、徹底や有効活用ができていないこともありました。
実証実験の結果を受けて、医薬品コーナーでの声掛け活動を強化しています。2018年12月号の月刊マーチャンダイジングのドラッグストア顧客満足度調査で順位が上がったのも、この効果が出た結果かもしれません。
--今後の展開を教えて下さい。
2019年3月から全店舗展開を予定しています。全店舗で使うことで、売場の状況を店舗やスーパーバイザー同士で確認でき、より良い売場作りを共有したり、店舗スタッフの声から売場や教育内容により良いものや成功事例を入れてバージョンアップしたりする、といったことが期待できます。リアルタイムでメーカー様が売場の状況を確認できるようになることも大きいですね。
今後は新商品の事前トレーニングや登録販売者の勉強にも活用したいです。登録販売者は自宅で学習するスタッフも多いので、彼らの学習進捗状況をシステムで把握できるようにするなどが考えられます。
将来的には売場のコンテストなどもこのシステムでできるといいですね。また、データがたまってくると、それぞれの商品に対してどのような販促がきくのか、どこでどういった学習をさせたら効果が出るのか、がみえてくると思います。そうするとメーカーも小売も、やること、やる時期が明確になって効率的に販売活動ができるのではないかと思います。
ツルハグループ全体で活用するようになれば、事業会社同士でのシステム活用の相乗効果が出るでしょう。例えば、キャンペーンでの売場作成や教育素材を共有することができます。今後のシステムの拡がりが楽しみです。
2019年1月